八つの想い
「とりあえずさ・・・此処にいるのはよくないかな。」
私は自分出来といたくせに無性に元の場所に戻りたくて言った。
志摩は頷く。
「確かに・・・歩いていけば【何か】あるかもしれないしな・・・。」
弘明はそう言うと先頭を切って歩き出す。
みんなもの奥にある【何か】に淡い期待を載せてとりあえず歩き出す。
地面には土を踏む感触。
ところどころに咲く花々。
その花は何故かどれも異様に見える。
「ねぇ、世喜亜・・・なんでこの花々・・・全部赤いんだろね。」
世喜亜も顔を青くしていた。
ふと、蓮に目をやる。
蓮はその花々を悲しげに見つめていた。
さっきの行動を思い出す。
あの時と同じ顔。
彼は顔を花々から背け弘明に近寄る。
「・・・おい、あれ。」
蓮は苦々しくその一点を見つめる。
つられて声を掛けられた弘明はその先を見る。
「んだありゃぁっ?!」
弘明は目を開かせる。
その驚きの声に皆もその先を見る。
「うおっ・・・!?」
「ちょっと、何あれ?!」