八つの想い
「で・・・でかいね。」
その先には、周りにあった花々の倍のデカさ、私の背丈の10倍も近いほどのでかい花。
しかも、倍の深い赤色だった。
異様な香りを漂わせて私たちを見下ろすような形で咲いている。
和歌斗それに触れようと傍に歩み寄る。
だがその手を椿が掴む。
「得体の知れないようなものにむやみに触れるな。」
その目は真剣そのもの。
和歌斗は苦笑しながら後ずさる。
「どうしよっか?」
志摩はぽつりと呟く。
その声は僅かに震えている。
「消えた町に不思議な霧、そして異様な花。絶対おかしいっ。夢見てるんだ。」
「的場・・・。」
弘明も苦痛の顔をしていた。
そっと手を握ってあげると顔を歪めて苦しそうに微笑む。
「・・・夢じゃ・・・ないんだ。こころの手あったかい。」
「・・・ごめんなさい。」
私の性だ。私の性で皆がこんな目に。
私が急に走ったりしたから。
こんな所に連れてきた私が悪いんだ。
弘明はあんなに止めてくれたのに。
私の性だっ!!
「・・・誤らないで?こころは悪くないよ。」
そっと私の添えていた手の上においてくる。
その手を私は振り払い皆に向き直る。
「ちがう!!私の性だっ!!勝手な行動とったりしたから!!私が急にはしったりしなかったら!!」