八つの想い
私はガバッと顔を上げる。
変なカッコで寝ていたため首や腰が寝違えている。
「いたたた・・・っ?!」
その風景に私は言葉を失う。
ビルっ!?
人多すぎじゃね?!
都会だぁ!!
「志摩っ!!都会だよぉ!!」
私は満面の笑みで志摩を見る。
志摩もにこにこ笑いながら窓の外の景色を眺めている。
「そだね。あぁ~、迷いそうで不安だわ・・・。」
そう言って私をチラッと見る。
隣の席で話を聞いていた世喜亜が「ぷっ」と笑う。
志摩は世喜亜と顔を合わせて笑っていた。
「まぁ、こころにはあたし達がいるから安心しなよ。」
「っ?!」
そこでやっと気づいた。
(わたしのことかよっ?!)
「志摩っ!!世喜亜も笑うなっ!私は迷子なんかになんないよっ!!」
私はバスの中で大きな声を張り上げる。