envyⅠ
でもあまりにも広すぎて迷ってしまった。とりあえず歩いていると、奥の部屋から楽しそうに話す人の声が聞こえてきた。
ちょっと覗いてみて、いい人そうなら聞こうとドアノブに触れようとしたとき、中から聞こえてきた声にびっくりした。
だって、全部私の知ってる声。
留美と優さんとさっきの2人組の声。
こそっと部屋を覗くと、そこに広がっていたのは目を疑う光景で─
留美が優さんの腕にしがみついててみんなと親しそうに話してた。
なんだ、やっぱもう馴染んだんだ…。
私よりも社交的で可愛い留美。留美だって初対面のはず、なのに。
もし、私がもっと可愛いかったら。もし向こうの人が私と留美が姉妹だって知らなかったら。
もしかしたら私はもうちょっと友好的な態度で接する事が出来たかもしれない。
留美みたい、までとはいかなくても最初の時にそこそこしゃべれるぐらいの仲にはなれて、あの中に平気で混ざりに行けたかもしれない。道わからないんですけど教えて下さい、って。