envyⅠ
なんてタイミングが悪いんだろう
今私は、目の前の真っ赤な顔をした女の子と対照的に真っ青だと思う。
目の前の、ミルクティーみたいな色の髪をくるくる巻いた美少女は、おそらく太郎さんと一緒にいた子。
おそらく…っいうか絶対そうだ。ここに入ってきたんだから、そうに決まってる。
時間がないのにこんなところで修羅場になるのは困る。
やっぱりこの美少女は
「あたしほってどこいったのかと思ったら…!!!
なんでこんな子があたしの部屋から出てくんのよ!!!!
もっ…、なにこれありえない!
あんた、どうゆう関係なのよ!!!」
ってヒステリックに高い声を玄関いっぱいに散らした。
もっともだと思う。
私もそう思うと思う。
だけど今にも殴られそうな雰囲気に押されて何も言えずにいると
部屋の奥から「マリちゃん。
その子はマリちゃんが心配するような子じゃないから安心してよ」となんとも投げやりな助け舟がベッドの上から寄越された。
目の前の“マリちゃん”は説明させようと太郎さんの方に向かっていく。
申し訳なさを感じながらも、私はその隙に走って玄関をでた。