envyⅠ
お姫様の隣にいるのはいつも王子様。そして今留美の隣にいるのは、優さん。
凛とした王子様みたいな、優さん。
二人はそういう関係じゃないと思う。
たぶん、まだ。
でも周りから見たらどうだろう。
きっとこの美男美女の二人は、つきあってるように見えるだろう。
じゃあ、その美女の彼氏に手首を引かれてる私はみんなにはどんな風に映るんだろう。
ひとりだけ、Tシャツに膝下ジーンズの私は?
もしかしたら、周りの人から見ると、
留美は綺麗な男の子をはべらせてる子だと思われてるかもしれない。
どう思われてようと、私が惨めにうつってるのに変わりはないだろうけど。
そんなことを考えてると、耳につく周りの声。
『ねぇねぇ。あの人らかっこよくない!?
あたし声かけよっかなー?』
『ちょっ、やめなよ!彼女いんじゃん』
『えー、残念ー。あの人とかめっちゃタイプなのになぁ。ほら、あの人』
『うわレベル高っ!あたしはあの金髪の人のがいいなーなんかハヤトに似てるし』
『あれ?んー、でもなんかあの子は微妙じゃない?
なんかフツーっぽい…』