envyⅠ



「サキちゃんは何がいい?」
楽しそうに目を細め、私の手のひらに残りの駒をばらばらと落とす。


「じゃあ、私はこれで」
私が選んだのはブーツの駒。


私が選んだ駒は咲弥さんの駒のハットの横に行儀よく並べられた。
ジャンケンで勝ったのは私だった。
どこに停まるんだろう、とドキドキしながら毎回サイコロを振る。

とりあえず、とまった土地は全て買った。

咲弥さんのハットはボード上を跳ぶように進む。
とろとろ進む、ブーツとは大違いで。
咲弥さんは何度もぞろ目を出す。

その度に、咲弥さんは嬉しそうにフフッ、と笑う。




「ねーサキちゃん」

「はい」

「さっきの子ってさ」

「はい」

「友達?あ、銀行から150$徴収」

「…………。
………………………はい……まぁ」
ほんとは全然違う。
でもやっぱり、わざわざ聞いてくるってことは、友達には見えなかったんだろうなって恥ずかしかった。

「そう。いいなぁ、いっぱいいて」
せっかく皆で来てたのに、連れてきてごめんね
って。
そう言った咲弥さんは、ほんとにちょっとだけ申し訳なさそうに見えなくもなかった。





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