envyⅠ
怖くてうつむいて視線をあわさないようにしてた。じゃあその2人のうちのどちらかかから
「姉妹なのに顔に出来、こんなにちげぇんだな」なんて言われた。
おい…っ、ってその隣の人のたしなめるような声が聞こえる。
ぎゅっと足に回した腕に力をいれる。うるさい。ばか。言わないでよ、そんなの。わかってるって。
「…んー、っと…さきちゃん?かな??だよな??ゴメンな。こいつの言ったこと気にしないでいいから」
苦笑いしてる感じでもう一人がフォローしてくれた。
「…いいんです。べつに。大丈夫です。気にしないで下さい」
余計惨めになるから。
普通にしなきゃって顔上げて笑ったのに、
「なんか返事もかわいげないよな。ちょっと優って、優しすぎるんじゃねぇ??
こんなヤツ連れてこなくても妹の方だけで良かったんじゃねぇの?」
そんなこと言うから、涙きたくなった。
さすがにきつい。そこまで言わなくったっていいじゃん。なんかもう、無性に泣きたい。けど今下向いたら確実に泣く。
可哀想って思ったんだろうけどよ、と。
どっちが??私が?一人で連れていかれる留美が??
やめてよ、ただでさえ頭の中ぐちゃぐちゃでいっぱいなのに。悲しいしよくわからないしで涙でてくる。こんなの別にどうって事ないって、いつもなら普通に出来るのに状況が状況で涙が零れそうだ。
だからどうしてもここから逃げたくて。
理性が制止するのも聞かず足が動いた。
すみません…っちょっと、トイレって伝えて。