浴衣と花火大会 ~ナツコイ~
「―――おーい、小倉!」
突然、小倉を呼ぶ声がした。
クラスメイトの男子だった。
「わりぃ。呼んでるから行くな」
「うん。誕生日会の持ち物とかは
全部莉花にきいてね」
莉花はギョッとした顔で
私を見た。
莉花は小倉の彼女なんだから、
常に一緒にいるんだから、
これくらいのことは
してもらわないと。
なんとなくそう思った。
「りょーかいっ!」
小倉はそう言って、
その場を去った。