浴衣と花火大会 ~ナツコイ~

「―――おーい、小倉!」

突然、小倉を呼ぶ声がした。

クラスメイトの男子だった。

「わりぃ。呼んでるから行くな」

「うん。誕生日会の持ち物とかは
全部莉花にきいてね」

莉花はギョッとした顔で
私を見た。

莉花は小倉の彼女なんだから、
常に一緒にいるんだから、
これくらいのことは
してもらわないと。

なんとなくそう思った。

「りょーかいっ!」

小倉はそう言って、
その場を去った。
< 10 / 13 >

この作品をシェア

pagetop