浴衣と花火大会 ~ナツコイ~
「・・・・・・私ね、
誕生日にね」

「うんうん。何がほしい!?」

「ほしい物買うわよー?」

2人が身を乗り出して聞いてくる。

私は笑顔で答えた。

「あのね、彼氏がほしい!」

2人はどっと笑い始めた。

「彼氏はあげれないよー」

「買うこともできないわ」

「それじゃあ、莉花の彼氏
ちょーだいっ! 結構カッコいいしさー」

私は冗談で言ったつもりだった。

でも、莉花は真に受けたのか、

「え!? ちょっと桃、
何言ってるの!?
俊ちゃんはあたしの彼氏なんだから、
いくら誕生日だからって渡せないわよ!」

そうキレながら、
私をバシバシと叩いてくる。
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