浴衣と花火大会 ~ナツコイ~
「あ! 桃~~~!」
同じく朝練が終わったらしい、
もう1人の親友の島坂 夏音が、
私の姿を発見して走って来る。
さすが陸上部、肌がこんがり小麦色だ。
「誕生日会、家OKだった?」
首をかしげ、明るい茶色の
ショートヘアが揺れる。
そうだ、夏の楽しみ、
もう1つあったんだった。
―――私の誕生日。
毎年、私の誕生日は友達を呼んで、
家でパーティーをする。
だから、私の家で今年もパーティーが
できるか、夏音は聞いているのだ。
「うん。OKだよ」
私の誕生日は7月24日。
あと4日後だ。
丁度その日は学校の都合で、
どこも部活は休みになっている。