浴衣と花火大会 ~ナツコイ~

「あ! 桃~~~!」

同じく朝練が終わったらしい、
もう1人の親友の島坂 夏音が、
私の姿を発見して走って来る。

さすが陸上部、肌がこんがり小麦色だ。

「誕生日会、家OKだった?」

首をかしげ、明るい茶色の
ショートヘアが揺れる。


そうだ、夏の楽しみ、
もう1つあったんだった。

―――私の誕生日。

毎年、私の誕生日は友達を呼んで、
家でパーティーをする。

だから、私の家で今年もパーティーが
できるか、夏音は聞いているのだ。

「うん。OKだよ」

私の誕生日は7月24日。
あと4日後だ。

丁度その日は学校の都合で、
どこも部活は休みになっている。
< 7 / 13 >

この作品をシェア

pagetop