桜ノ籠 -サクラノカゴ-
「何の意味があるんだよ?それに」
「時々!突然!現れる私!ーどう?怖いでしょ?緊張感あるでしょ?」
呆れた様に、青磁先生は煙草の煙を吐くと、
「ーもう、好きにしてくれ」
縁側に、寝転がった。
「じゃ、好きにさせてもらうわ。さ、伽羅ちゃん、青磁の気が変わる前に、さっさと荷造りしちゃおう!」
そう言って、茜さんは私の腕を取り、部屋に連れて行く。
私は振り返り、青磁先生を見ると、
煙草の煙をくゆらせながら、私を見て、微笑んでくれた。
それだけで、
嬉しくて、
嬉しくて、
思わず、顔が笑ってしまった。