桜ノ籠 -サクラノカゴ-
夏ノ第二章
紫陽花の雫
「今日から、この部屋が伽羅ちゃんの部屋だ」
そう言って、青磁先生は白い扉を開けた。
そこは、6畳位の部屋で、黒いカーテンだけが窓にかかっていた。
「何よ、黒いカーテンって可愛くない!」
と言って、
茜さんは、黒いカーテンを外した。
そして、紙袋から白いレースのカーテンと白地に桜模様のカーテンを取り出した。
「どう?伽羅ちゃんの部屋にピッタリでしょ」
茜さんは、羽織る様に青磁先生にカーテンを見せた。
「伽羅ちゃんってより、茜姉の趣味だろ?」
呆れた様に、青磁先生は壁に寄り掛かり、腕組みをして見ていた。