桜ノ籠 -サクラノカゴ-
でも、
それはあまりに綺麗で、視線がそらせない。
紫陽花の様な、蒼から紫への濃淡が美しい石が、輝いていた。
「伽羅ちゃん、夕飯出来たよー」
「はっ、はい!!今行きます!」
キッチンから聞こえた青磁先生の声に、ビクッと体が震えた。
ドクン、ドクンー…
鼓動が大きくなる。
な、に…?
どうしたんだろ……?私ー…
自分の体の変化に、頭が、考えが、ついていかない。
ただ、
一つの疑問が、グルグル回っているのは、分かった。
このピアス、
誰の?