桜ノ籠 -サクラノカゴ-
夕立
「ふーむ…、これが例のピアスか…」
顎に手を添え、咲耶ちゃんは考え込む様な仕草をする。
「伽羅のいう通り、紫陽花みたいな色ね」
「あ!咲耶ちゃん触っちゃダメっ。青磁先生にバレちゃう!」
「バレるって、何が?」
「何が、って…、ピアス触ったこと…?」
「掃除の時に、ちょっとよけたとか言えばいいんじゃない?」
あ…、なるほど…
例のピアスをみたいという咲耶ちゃんが、学校帰りに青磁先生の家に寄った。
青磁先生の家というか、今は私の家でもあるんだけど……
まだ、馴れなくて…。