桜ノ籠 -サクラノカゴ-
「伽羅ちゃん?」


私は、青磁先生が引き寄せようとした腕を振りほどき、遊具から外に出た。



「伽羅ちゃん!濡れるー…」

「どうして、青磁先生は私に優しくするんですか!?彼女の所にいればよかったのにー」



雨に濡れて、頬を伝う雫が、
雨なのか、涙なのか、

分からなかった。



「俺は、伽羅ちゃんが心配だったから、探しに来た。…咲耶ちゃんと約束なんてしてないんだな?
俺の客に気をつかって、家を出たんだろ」


青磁先生は全部お見通し。



ホント敵わない…





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