桜ノ籠 -サクラノカゴ-
「……私の事はいいんです。ちゃんと後で帰りますから…」

「いや、駄目だ。今すぐ一緒に帰ろう」


どうしてー…

どうして、そんな事をいうの?


私が子供で、心配だから?



「…青磁先生のお客さんの用事が済んだら、帰ります」


唇を軽く噛み締め、震える声で、伝える。


青磁先生は、小さなため息をつくと、



グイッ


ーえ…?


気付いた時には、青磁先生の腕に抱えられていた。







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