桜ノ籠 -サクラノカゴ-

「朝ご飯、一緒に行こう?」
 
優しく、青磁先生は誘ってくれたけれど、
私は、上手く応えられなくて、首を横に振ることしか出来なかった。


「…そっか」

残念そうな声がして、青磁先生の足音が遠く、遠くなってゆく。
 

私は、またぼんやりと桜を眺める。



ひらりひら


 静かに、少しずつ舞い散る桜色。


 いつもと同じ、何も変わらない。
 何もー







< 17 / 467 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop