桜ノ籠 -サクラノカゴ-

ー記憶の欠片ー 蒼い空、高く


 ーー2years agoーー

 ♦

それは、突然だった。

紅葉が色づく頃、


「伽羅、今日からお兄ちゃんも一緒に暮らす事になったの」

学校から帰宅すると、お母さんがそう切り出した。



居間のソファには知らない男の人がいた。
 
その人は私に気づくと、



「君が伽羅?」

そう言って、立ち上がる。


黒髪に切れ長の目、男らしいけど綺麗な顔をしている人。




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