桜ノ籠 -サクラノカゴ-

「俺も、ここで食べたいなーと思ってさ。いいかな?」

「…いいも、何も…、ここは、青磁先生のお家、だよ」


途切れ、途切れ、上手く動かない頭で何とか考え、言葉を紡ぐ。
 
ちゃんと話すことが出来なくて、でも、青磁先生は微笑んでくれた。


「そうだね、じゃあー」

そう云うと、青磁先生は私の躯を、ひょいと持ち上げた。



(えっ?何?)

あまりに驚き、声が出なかった。

すとん、と青磁先生は私を、縁側に座らせた。


「食べる時だけでも、この方がいい」

私におにぎりを一つ持たせ、そう優しく話す。




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