桜ノ籠 -サクラノカゴ-
「…青磁、あんた……」
言いかけ、
茜は言葉をのみ込んだ。
「…なんでもないわ。伽羅ちゃんの事はまかせて、あんたはシャワーでも浴びなさい」
「俺はいい、」
「バカね、あんたが風邪で倒れたら、誰が伽羅ちゃん看てあげるのよ」
茜の言葉に、青磁は
ふ、
と、寂しげに笑い、
了解、と告げ、
部屋を後にした。
茜は、
伽羅の体を拭き、着替えをさせながら、
のみ込んだ言葉を
思い出す。