桜ノ籠 -サクラノカゴ-
「おぉ、おはよう伽羅」

目の前に、低い声の男の人。


バタン!

思わず、そのままドアを閉めてしまった。


そ、そうだった…
今のウチには 、
カズ兄がいたんだった…


一気に、昨日の出来事を思い出す。

突然現れた、カズ兄の事を


ついいつもクセで、寝ぼけたままパジャマの格好で、部屋を出てしまった。


私が部屋の白いドアの前で、後悔していると、

「おーい、伽羅。無視されて、部屋に引っ込まれると傷つくんだけどー」

カズ兄の声が、ドア越しに聞こえた。



< 202 / 467 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop