桜ノ籠 -サクラノカゴ-
「ご、ゴメン!ちょっとビックリして…、無視したわけじゃないから」
慌てる私の声。
「っそ、ならいーけど。ま、可愛い妹の初パジャマ姿が見れたからいっか」
そう言って、笑うカズ兄。
か、からかわれてる!?
恥ずかしさで顔が赤くなる。
って、実の兄なんだから…
と、思いつつも、やっぱり、急に兄として見るなんて、無理……
私はドアの前で、はぁー、と大きな溜め息をついた。
「伽羅ー、早く支度してご飯食べなさい」
「あ、はーい!」
お母さんの声にハッとなり、私は慌ててパジャマを脱いだ。