桜ノ籠 -サクラノカゴ-
「えぇ。……何があったか知らないけど、私にして欲しい事、他にある?」
茜は、床に置いたままのスーパーの袋をダイニングテーブルに置き、
買い物をしてきた果物やお菓子を、冷蔵庫や棚にしまってゆく。
「なんで…、何も聞かないんだ?」
「聞いて欲しいなら、聞くけど?でも、あんたの事だから、きっと、私が考えるよりいい案を見つけるんじゃないの?
伽羅ちゃんがあんな風になった原因は、あんたにもあるんでしょ?」
青磁は煙を吐き出しながら、
肩をすくめる。
「相変わらず、キツい事サクッと言うな、茜姉は」
「あら、これでも信じてるのよ。青磁の事。
あんたにも原因があるなら、伽羅ちゃんをまた笑顔に出来るのはあんたでしょう?」