桜ノ籠 -サクラノカゴ-
「嬉しそうだな、一宮」
青磁先生が、優しく微笑む。
「ま、ね。妹、伽羅っていうんだけど、可愛くて面白いヤツなんだ」
「…羨ましいな、一宮。俺の姉は怖くて凶暴だぞ」
ガックリと落ち込んだ表情になる。
「へー、青磁先生に姉ちゃんいるんですか?綺麗?」
「…どうかな…?モテてはいるみたいだが、性格キツイな。俺は苦手なタイプだ」
性格キツイ姉ちゃんかー
「ははっ、青磁先生、尻に敷かれてそうー」
「言うな、弟のツラい立場だ。その点、妹はいいよな。俺も妹なら可愛がるんだけどな」
「あ、だからって、伽羅はダメですよ?オレのだから」
「オレのって…、そのセリフ、佐乃の前でするなよ?もめるぞ」
佐乃、佐乃瑛李香(サノエリカ)
オレの彼女。
1年位前からの付き合いで、青磁先生に色々相談してたから、先生公認の仲。