桜ノ籠 -サクラノカゴ-

「佐乃が心配してたぞ。最近、お前が荒れてるって…」

確かに、ここ最近オレの心は荒れていた。
最近っていうか、親父が再婚した3ヶ月位前からーー


もともと、親父とは仲が良くなかった。
考え方が違うんだ、あの人とは。



で、再婚して、余計うまくいかなくなった。
その頃から、瑛李香に当たったりしてたかもな…。


と、反省…

「そうだな、瑛李香には謝らないとな」

「…その様子だと、良いみたいだな。母親と妹との関係」
「まぁね。決めたから…、これからは、母さんと伽羅と歩んでいくって」


色々な事情で、未だにオレの親権は親父だが、あの場所から出られただけで、気分が前向きになった。


「書類、明日までに用意しておくから」

青磁先生はオレの背後に視線を移すと、そう言って、立ち去った。


その視線が気になり、後ろを振り返ろうとすると、


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