桜ノ籠 -サクラノカゴ-
瑛李香は、初めて聞いた話しに驚き、どうして話してくれなかったと、怒った。
まぁ…無理もない…
「ごめんな。急に決まった事だったし。ほら、オレ親父とうまくいってなかったろ?
再婚と腹違いの弟の誕生で、余計こじれてさ。
で、母親の所で暮らす事になったわけ」
「妹、っていうのは?」
「会うのは13年ぶりだけど、正真正銘実の妹!何、妬いたか?」
「べ、別に妬いてなんか…」
いつもの調子で、言い返して来るかと思ったら、
「…うそ、妬く…。だって、和希と暮らしてるんだもん…」
うつむき、小さな声で零れる声。
オレはそんな瑛李香が愛しくて、抱きしめた。
「ちょっ、だからここ学校!」
今度は、
離してやらなかった。