桜ノ籠 -サクラノカゴ-


ーーNowーー


 ♢

ふと、目を覚ますと、

部屋の中は暗く、
窓際の白い間接照明だけが、点いていた。



起き上がると、
私は黒いソファで寝ていて、
体には、毛布と紺青色のジャケットが掛けられていた。


この紺青色のジャケットには、見覚えがある。



「青磁、先生…?」


辺りを見回し、姿を探した。


窓が少しだけ開いていて、
ベランダに、煙草の火と青磁先生の後ろ姿が見えた。




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