桜ノ籠 -サクラノカゴ-
みつけて、ホッとした。


ソファから降りようとして、毛布をめくり、群青色のジャケットを手に取った。


フッ、

と、ジャケットから青磁先生の匂いがして、
手が止まる。

同じ匂いが、少し開いた窓からした。


この匂いは、

青磁先生の煙草の匂い。





あれ?


この匂い、覚えがある……




前にも、こんな事があった。
ジャケットを手に持って、


この匂いをーー…




バサッ、

思い出し、
思わず、青磁先生のジャケットを床に落としてしまった。




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