桜ノ籠 -サクラノカゴ-
でも、ずっと長い間、
沈んだ心は重くて、深くて、
一人では、どうしようもなくて…
カズ兄がイナクナッテ、私は一人になったと思っていたけど、
私は一人ではなかった、
ゴメンなさい、
おじさん、おばさん、そして茜さん、
ゴメンなさい、お母さん
ゴメンなさい、カズ兄…
そして、少しずつ、少しだけ、時間が動き出す。
それからの朝は、青磁先生と縁側で朝ご飯を食べた。
何を話すワケでもなく、
ただ、桜を眺め、
二人で、ご飯を食べた。