桜ノ籠 -サクラノカゴ-



それからの日々は、
よく青磁先生の元を訪れた。


煙草の匂いのする、化学準備室。


青磁先生は、よくそこで本を読んでいた。


でもオレが訪ねると、時には話し相手になってくれて、
時にはぼんやり窓からグランドを眺めるオレの横で、本を読んで……


そんな日々。



でも、
青磁先生と話すのは、
なんて事はない日常の出来事。




学年が一つ上がった春も、そんな風に過ごした。




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