桜ノ籠 -サクラノカゴ-
春ノ第二章
心に咲く桜
♢
ーーあれ?
いつもと違う違和感を感じた、朝。
天気は良く、蒼空に映える庭の桜。
眩みそうな程、綺麗で、
でも、いつもの様にパジャマのまま、眺めていた。
何かが違う。
いつもと、何か……
縁側から起き上がり、辺りを見回す。
「青磁、先生…?」
呼ぶが、返事がない。
違うと感じたのは、青磁先生の気配がない、ということ。
そう気付き、不思議と、不安になる。
前までは、一人でここにいるのが当たり前だったのに……
何と呼べばいいのか、わからないかんじょうのまま、
家の中を歩いた。
青磁先生の姿をさがしてーー