桜ノ籠 -サクラノカゴ-
「…青磁、先生…。青磁先生…」

何度も、
何度も、

名を呼んだ。


しがみつく私を、
青磁先生は優しく抱きしめ、

「大丈夫、俺はここにいるよ。伽羅ちゃんのそばに、いる」


優しい声とともに、

優しく頭を撫でてくれた。



青磁先生、

青磁先生、


どこにも行かないで、

そばにいて、



いなくならないで、


いなく、ならないで……




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