桜ノ籠 -サクラノカゴ-
「…俺が、伽羅ちゃんのもとに?」

「そう」

「俺で、いいのかな?」

儚げに、青磁は呟く。


「それは、青磁が伽羅ちゃんに聞きなさい。私にはわからないわ」
「相変わらずだな、茜姉は」

茜のサラッとした言葉に、
青磁は、ふ、と笑った。


「そのためにも、ちゃんと伽羅ちゃんの所に帰ってきなさい。それを、伽羅ちゃんに信じさせてみなさい」

茜は、青磁を真っすぐに見る。



信じさせる。


不安にかられる伽羅を信じさせられるのは、青磁だけだと、そう思うから、

そう、願うからーー…



茜は、言葉にする。

自分の想いを、

自分の願いを、



青磁に、伝える。




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