桜ノ籠 -サクラノカゴ-
「青磁先生!」

茜さんの腕を振り払おうとすると、


パンッー

軽い音とともに、頬に衝撃が走った。


「痛い?…ちゃんと痛い?伽羅ちゃん?」

優しいけれど、
どこか厳しさを秘めた、茜さんの声。


痛い?


うん…



「イタ、イ…。痛い…」

小さく零れる、私のか細い声。


「そう、よかった。痛いってことは、伽羅ちゃんは生きて、今、ここにいる」


確かめるように、一言一言紡ぐ、茜さんの言葉。



よかった?

生きて、今、ここに、いる?



私がーー?




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