桜ノ籠 -サクラノカゴ-


「……ーん、…ちゃん、伽羅ー、伽羅!」


名を呼ばれると共に、
力強く、掌を握りしめられ、

私は、ハッと


気がついた。



目の前には、
心配そうに私を覗き込む、

青磁先生の姿。



「あ……、わ、私……」


声も、

握りしめられた掌も、


どうしようもなく、震えていた。





< 325 / 467 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop