桜ノ籠 -サクラノカゴ-


「私、青磁先生の事が好きです」


「俺も、伽羅ちゃんが好きだよ。愛しくて、愛しくて、仕方がないんだ…」



そう、囁く様に私の耳元でいう青磁先生の吐息が耳にかかる。

とたんに、私の顔は赤くなり、うつむこうとすると、



青磁先生は、私の顔を上にあげる。

青磁先生の顔が近づく…



「いい?」


優しく尋ねる青磁先生の吐息が、


私の頬をくすぐる。



それだけで、

愛しい気持ちが、あふれる。



私は、

答えるかわりに、



瞼を閉じた。





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