桜ノ籠 -サクラノカゴ-
コンコン、
青磁先生の部屋のドアを軽く叩く。
「青磁先生…、起きてますか?」
休みの日に朝早く声をかけるのは悪いと思った、
けど、
「…どうした?伽羅ちゃん」
部屋の中から、青磁先生の声がした。
「入っていいよ」
青磁先生のその言葉で、私は白いドアを開けた。
そっと開けると、
ベッドの上で横になったまま、眠そうな眼を私に向ける青磁先生がいた。
「すみません、お休みの日に…。でも、どうしても青磁先生と行きたいところがあって…」
「行きたいところ?」
青磁先生は体を起こし、枕に背もたれし、私を見る。
「はい。…カズ兄のお墓参りに行きたいんです。
……青磁先生、私と一緒に行ってくれますか?」
言葉にしながら、鼓動が不安と悲しみで体中に響くようだった。
命日は
紅い季節は
過ぎてしまったけど、
今なら行けると、
そう、思うからーー…
青磁先生の部屋のドアを軽く叩く。
「青磁先生…、起きてますか?」
休みの日に朝早く声をかけるのは悪いと思った、
けど、
「…どうした?伽羅ちゃん」
部屋の中から、青磁先生の声がした。
「入っていいよ」
青磁先生のその言葉で、私は白いドアを開けた。
そっと開けると、
ベッドの上で横になったまま、眠そうな眼を私に向ける青磁先生がいた。
「すみません、お休みの日に…。でも、どうしても青磁先生と行きたいところがあって…」
「行きたいところ?」
青磁先生は体を起こし、枕に背もたれし、私を見る。
「はい。…カズ兄のお墓参りに行きたいんです。
……青磁先生、私と一緒に行ってくれますか?」
言葉にしながら、鼓動が不安と悲しみで体中に響くようだった。
命日は
紅い季節は
過ぎてしまったけど、
今なら行けると、
そう、思うからーー…