桜ノ籠 -サクラノカゴ-
〝伽羅〟と呼ぶ青磁先生の声。
優しいのは、私、だから?
そのどちらも、
私が目眩を起こすくらい嬉しい言葉。
もう、青磁先生には敵わない。
もう、青磁先生しか見えない。
「伽羅?」
真っ赤になってうつむく私の顔を青磁先生が覗き込む。
や、だから、
今その距離は反則です!
どんどん顔が熱くなる。
恥ずかしくて、
髪に触れる青磁先生の手から離れようとすると、
グイ、
髪に触れていた青磁先生の手が、
力強く、
私を引き寄せる。
え?