桜ノ籠 -サクラノカゴ-


〝伽羅〟と呼ぶ青磁先生の声。

優しいのは、私、だから?




そのどちらも、
私が目眩を起こすくらい嬉しい言葉。


もう、青磁先生には敵わない。


もう、青磁先生しか見えない。




「伽羅?」

真っ赤になってうつむく私の顔を青磁先生が覗き込む。


や、だから、
今その距離は反則です!


どんどん顔が熱くなる。


恥ずかしくて、
髪に触れる青磁先生の手から離れようとすると、


グイ、


髪に触れていた青磁先生の手が、
力強く、
私を引き寄せる。



え?






< 415 / 467 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop