桜ノ籠 -サクラノカゴ-
「やばい……伽羅、離れた方がいい」
「え?」
ス、
っと何事もなかったかの様に離れ、
青磁先生は車のエンジンをかけた。
「ごめん、煙草吸っていい?」
「え、あ、はい……」
何がなんだかわからなくて、
私は、
ぼーっと、したまま青磁先生の方をみたまま動けなかった。
どうしたの?
私、なんかした?
「……そんなに見るな」
「え?」
とうとう見るのも禁止?
なんで?
「こんな場所で伽羅を抱くわけにいかないからね」
え、
え?
「えーー!?」