桜ノ籠 -サクラノカゴ-
だ、抱く!?
抱くってーー
もう、これ以上ないくらい真っ赤になる私。
青磁先生は、
何もなかったかの様にいつもの様に煙草を吸う。
私に背を向け……。
なんだか、
寂しくなった。
途端に顔の熱が引いていく。
あんなに近くに青磁先生を感じたのに、
今は遠く感じる。
でも、
見つけてしまった。
私から顔をそらし、
窓の外を向いて煙草を吸う青磁先生の耳が、
真っ赤だった。
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