桜ノ籠 -サクラノカゴ-
「ふーん、少しだけ?」

そういって、青磁先生は私の唇に軽くキスをした。


フイうちに、
私の顔が一瞬で真っ赤になる。



「せ、青磁先生!」

掌で真っ赤になった顔を覆い、
頭上で笑う青磁先生を見上げた。


「嘘だよ。悪い、からかった。あんまり伽羅が可愛い事いうから」


いつもこんなカンジ。




カズ兄のお墓参りに一緒に行って、
沙智さんに別れを告げた、


あの日から、ずっと。




青磁先生と過ごす日々は、

穏やかで、優しい時間が流れる。






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