桜ノ籠 -サクラノカゴ-
キスはしても、
ただそれだけ。
青磁先生は、優しく私をからかったり、誤摩化したり、
キスをした後は、
私から離れてしまう。
だ、だから、
どうしたいってわけじゃないけど!
でも、少し寂しくなる。
〝こんな場所で伽羅を抱くわけにいかないからね〟
そう、
言っていた青磁先生の言葉を思い出すと、
顔が熱くなる。
あの時の言葉と、
あの時のぬくもりを思い出すだけで、
恥ずかしくて、
おかしくなりそう。
ーーだから?
もしかして、
青磁先生に見抜かれてる?