桜ノ籠 -サクラノカゴ-

「茜さん、おばさん?」

私の声に、台所にいた二人は驚いた様に振り向いた。


「伽羅ちゃん!大丈夫なの?」

滅多に起きてこない、私を心配する様に、おばさんが声をかける。


「無理しない様にね、伽羅ちゃん」

そう言った茜さんは、先程とは違い、白いシャツに黒いパンツスーツ、出かける様な格好だった。


「……お出かけ、ですか?茜さん」

「そうなのよー、これから仕事。だから、伽羅ちゃんと夜まで会えないの、寂しいわ~」

そう言って、茜さんは私を抱きしめた。





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