桜ノ籠 -サクラノカゴ-

「咲耶ちゃんと、約束しました。
明日から学校に行こう、と」

「そうか……」


「一人でも大丈夫って言ったんだけど、咲耶ちゃん、一緒に行こう、って。
ここに朝寄ってくれるんです」


「よかったな。……伽羅ちゃん、嬉しそうだ」

え?

気付かずに、自然と笑顔になっていた。

そして、想い出す。


「……今日、久しぶりに、大声で笑いました」


抱きつかれた拍子に、
二人で洗濯物に埋もれた。

あの時。





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