桜ノ籠 -サクラノカゴ-

「怖くなったら、これ」

そう言って、青磁先生は桜の樹から一枚、桜の葉を取り、私に差し出した。


私の掌に桜の葉を乗せ、挟む様に青磁先生の掌が乗せられる。


「お守り。〝伽羅ちゃんが笑顔になれます様に〟」


目を閉じ、
祈る様に、


青磁先生の優しい声が


桜の葉を、
私を包んだ。






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