桜ノ籠 -サクラノカゴ-
♢
「青磁先生! おかえりなさいっ」
夕飯前に、青磁先生が帰宅すると、私は玄関まで走って、青磁先生を出迎えた。
「ただいま、伽羅ちゃん」
青磁先生は、私の頭をクシャッと撫でた。
「どうした?いい事でもあった? 伽羅ちゃん、いい笑顔だな」
そういう青磁先生の表情も笑顔になる。
「青磁先生のお守り、効いたよ!
今日の学校、はじめはドキドキしたけど、たくさん笑う事が出来たのっ」
踏み出す前は、
不安で、不安で、
逃げ出したくなった。
でも、
咲耶ちゃんがいてくれて、
不安なときは、
桜の葉が、青磁先生を想い出させてくれて、
そしたら、