桜ノ籠 -サクラノカゴ-


 ♢ 


「青磁先生! おかえりなさいっ」

夕飯前に、青磁先生が帰宅すると、私は玄関まで走って、青磁先生を出迎えた。


「ただいま、伽羅ちゃん」

青磁先生は、私の頭をクシャッと撫でた。


「どうした?いい事でもあった? 伽羅ちゃん、いい笑顔だな」

そういう青磁先生の表情も笑顔になる。



「青磁先生のお守り、効いたよ!
今日の学校、はじめはドキドキしたけど、たくさん笑う事が出来たのっ」




踏み出す前は、
不安で、不安で、

逃げ出したくなった。


でも、
咲耶ちゃんがいてくれて、

不安なときは、
桜の葉が、青磁先生を想い出させてくれて、


そしたら、






< 74 / 467 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop