桜ノ籠 -サクラノカゴ-

「……うん、オレも、約束したしな」

前髪を掻き揚げ、青磁は、憶い出す。

伽羅と交わした、約束、



そばにいる、と。



伽羅が、ちゃんと、
一宮の事を思い出せるように……



違えるわけにはいかない、約束を、
青磁は伽羅とした。





どうするかな……、と、
青磁は煙に込め、吐き出す。




煙は、ゆらり、ゆらりと

空に、



舞い上がって行った。




< 80 / 467 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop