桜ノ籠 -サクラノカゴ-
「私は、大丈夫です」
おばさんを真っすぐに見て、私は、応える。
うん、
大丈夫、
お母さんが遠くに行くのは、寂しいけど、
お母さんが仕事大好きなのは、小さい頃から、見て来た。
だから、
「伽代さんと一緒に、海外に行くって言う選択肢もあるでしょ?」
茜さんが、私を見る。
「それは、今の伽羅ちゃんには、キツいと思う」
青磁先生が、話し出す。
「海外には、伽羅ちゃんの知る人が誰もいない。
咲耶ちゃんもオレ達も。
一から、人間関係をつくらなくてはならないのは、はっきり言って、今の伽羅ちゃんには負担が大きすぎる」