桜ノ籠 -サクラノカゴ-
「じゃあ、どうしたら……」

小さく、おばさんが呟くと、


あっ!と、茜さんが、手を叩いた。

「……青磁、確かあんたのマンション、常葉高の近くじゃなかった?」

「は?」

「あぁ!そういえば、そうね。ちょうどいいじゃないの」

茜さんの言葉におばさんが頷く。

「ちょ、ちょっと待て。ちょうどいい、じゃないだろ」

慌てる青磁先生の様子と、頷き合う茜さんとおばさんの様子の意味が分からず、私はおじさんの方を見た。

おじさんは、何ともいえない、困った様な表情をしている。


あれ?
私だけが分かってないの?



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